【共同生活の長所と短所】
大部屋に入院している患者さんの中には、「同室の方に、いろいろ体験談を教えてもらい、心強かった」と言われる方もいます。同じように病気と向き合っている患者さんから貴重な情報を得て役立てたり、交流を楽しんだりしながら過ごす方も多いようです。
大部屋の場合、病気も同じではなく、いろいろな治療の段階の患者さんがいらっしゃいます。治療の様子を見聞きすることで、心構えができると同時に「将来、自分もそうなるのか」という不安を感じることもあるかもしれません。
ただ、患者さんのからだは一人ひとり異なります。同じ治療をしても、この患者さんがこうなったから、自分も同じようになる…とは限りません。
治療の副作用を最小限に、できるだけ快適な入院環境になるように、担当医、看護師がサポートします。心配なことや気になることがあれば、その都度、確認しておきましょう。
時には、一人になりたいこともあると思います。そういうときは、病室とは違う場所で過ごすとよいかもしれません。病室を不在にするときは、伝言かメモを残しておきましょう。
治療中は、からだもこころも一定ではなく、揺れ動きます。治療前で神経質になっているとき、また“このつらさから抜け出すことができないのでは”と落ち込んでいるとき、同室者からの温かい言葉が、医療者やご家族の言葉以上に、自分にとって励みや希望になるかもしれません。