悩み

大部屋だったため、同室の人に悩まされた。



助言


【共同生活を快適に】


大部屋に入院すると、24時間の共同生活を送ることになります。社会生活の中では、24時間他人と一緒の部屋で過ごすということはめったにありませんから、ストレスを感じることは多いと思います。

大部屋には、病気が違ったり、いろいろな治療の段階の患者さんがいらっしゃいます。特に、入院しているときというのは、治療のためにからだがつらかったり、食事や排泄の状況も通常と異なることがあります。
プライバシーを確保したいときには、カーテンでベッドを仕切ることができます。しかし、一日中閉めたままでは、廊下側のベッドに光が入らないという不都合もあります。
大部屋に入院されている患者さんの一日の過ごし方や性格は、一人ひとり違い、読書をしたい人、みんなでおしゃべりを楽しみたい人など様々です。

共同生活なので、テレビの音はイヤホンで聴いたり、お見舞いに来られた方とは談話室で話すなどの配慮が必要になります。

そして、自分なりの過ごし方も大切にしましょう。もし可能であれば、24時間の共同生活という環境・空間から、自ら意識して抜け出す時間を作り出してみましょう。短い時間でも、一人になれる場所(談話室、屋上など)をもつだけで、気持ちが楽になるかもしれません。
ただし、少し長くなるようであれば、どこにいるかメモを置いたり、看護師に声をかけてから移動しましょう。


 

【個人のプライバシーに関する事柄】


悪気はなくても、話のきっかけのように、病気や治療、家族のことまで、いろいろ聞いてくる方もいるようです。
けれども、これはプライバシーに関する事柄なので、自分が答えたくなければ答える必要はありません。「病気のことは、先生に任せてあるので」とはっきり断って構いません。
また病室で医師から検査結果や病気の説明を聞きたくない場合には、そのことを伝え希望にそうように調整してもらいましょう。


 

【体験談やうわさ話】


大部屋・個室どちらにも長所と短所があり、大部屋の患者さんからは、「同室者から、これから受ける治療の体験談を聞いて励まされた、アドバイスが役立った」といった声を多く聞きます。
同病者の方や同じ治療を受けた方との話は、ときには患者さんにとって大切な気持ちの分かち合いとなり、こころのケアにもなります。また、同じような体験をしているからこそわかる細やかな情報が得られることもあります。
けれども、ときには、間違った情報や誤解が耳に入ってくることがあります。また、古い医療情報もあります。
気をつけなければいけないことは、同じ病気でも、人によって治療の効果も副作用も、少しずつ異なるということです。

人は人、自分は自分と気持ちを整理して、気にしないようにするか、聞きたくないときは、イヤホンをつけてテレビをみたりラジオを聴いたり、音楽を聴いて、会話自体に加わらないようにしてもよいでしょう。
ただし、この場合は、「ちょっと疲れたので横になるから」というように相手に声をかけて会話からはずれるようにしましょう。


 
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