【その気持ちを誰かに話してみましょう】
【その気持ちを誰かに話してみましょう】
治療を受ける前は、今後どうなるのかという不安が大きいと思います。最初ははっきりとしたイメージがもてなくて当然ですし、イメージがつかないのでいろいろと悪いほうへ考えてしまいがちです。
一方、手術はどのようなものなのか、予想される治療効果、合併症などの可能性、術後の経過などの説明をきちんと受けて理解することで、全体のイメージをつかみ、漠然とした不安も軽くすることができると思います。また、最近は、昔に比べて、手術後の合併症の発生もわずかで、手術は大変安全になりました。
ただ、(頭では理解できても、、、)という思いは残ってしまうのかもしれません。
そのようなときには、『手術が嫌』という気持ちを誰かに話してみるという方法もあります。同じ病気で同じような手術をした人の話を聞きたいのであれば、患者団体の集まりに参加してみてもよいと思います。
また、地域や医療機関によっては、『がんサロン』など患者さん同士が話をする場を設けたり、ピアサポーターが活動したりしているところもあります。ピアサポーターというのは、ご自身もしくはご家族として障害や病気を経験し、その経験をいかして同じような障害や病気を患う患者さんやご家族のサポートを行う人です。ピアサポーターは、同じ経験をしているからこそ、気持ちを共有したり、実体験に基づいたアドバイスをしたりというサポートが行えます。
患者団体や患者さん同士が話をしあう場のことなどを知りたい場合は、『国立がん研究センター がん情報サービス』の『地域のがん情報』を参考にしましょう。各都道府県のがん患者さんやご家族に向けたさまざまな情報が掲載されています。
また、がん診療連携拠点病院には、患者さんやご家族が相談できる『がん相談支援センター』が設置されています。がん相談支援センターでは、その病院にかかっていない患者さんやご家族も相談することができます。『がん相談支援センター』に関する情報も、拠点病院の情報と同様に、『国立がん研究センター がん情報サービス』の『相談先・病院を探す』のページが参考になります。
【治療入院の前の目標設定】
入院前のこの期間、あなた自身にもできることがあります。
◎ 治療に向けて体調を整える
◎ 入院している間の仕事や家事の調整をする
◎ 病気や治療について理解する など
目標に大きい、小さいはありません。自分なりの具体的な目標を決めて、達成するために行動してみましょう。
たとえば、体調管理の具体的な目標としては、睡眠を十分にとる、栄養のバランスを考えて食事を摂る、体力維持のために毎日ウォーキングをするといったことが挙げられます。
近年、治療後早期から活動を再開する重要性については、かなり知られるようになりました。一方、診断時や治療前の活動については、制限がないにもかかわらず、心理的に、控える患者さんが多いという研究報告もあります。
入院中はどうしても活動量が低下しがちです。活動量が少ない状態が入院前から長く続くと、筋力の低下などの悪影響が生じやすくなると考えられるので、これまでの運動習慣を維持するように心がけましょう。運動の習慣がない方も、気分転換を兼ねて、からだを動かすとよいと思います。
(最終更新日 2024年5月26日)