悩み

入院、治療(手術)することについて不安だった。



助言


【入院に関する概要】


【入院・治療に関する気がかり】
ここでは一般的な
(1)入院までの流れと準備
(2)入院費用
(3)手術の治療経過
について説明します。
未知のことへの不安を軽くするためには、そのことに関する情報を得るとよいと思います。入院治療の流れをイメージしてみましょう。

【入院までの流れと準備】
初めて入院される方は、入院までの大まかな流れを知っておくとよいでしょう。

まず、入院が決まると、入院予約の手続きをします。このとき、病室つまり、差額ベッド代(特別療養環境室料)がかかる部屋か、そうでないかの希望を尋ねられると思います。差額ベッド代というのは、入院環境の快適さを高める目的で個室など少人数の部屋を希望した場合(1~4人以下の少人数の病室です)に生じる費用です。
通常、入院する部屋代は、入院費に含まれ公的な医療保険適用になりますが、差額ベッド代は、保険適用外(高額療養費制度の対象にもなりません)になるので、実費で一日いくらと全額自己負担になります。なお、差額ベッド代がかかる病室のタイプや費用は、病院によって異なります。

入院時の持ち物については、説明時に渡される『入院案内』のパンフレットなどに書いてあります。治療ごとに必要な物品は、外来または入院初日に、看護師等から説明があります。病院の売店で揃えることができるものもあるので、外来時に売店をのぞいて、どのようなものがあるか確認しておくとよいでしょう。

◎手術に際して用意する物(病院によって多少異なります)
 ○前あきパジャマ
 ○T字帯
 ○バスタオル
 ○フェイスタオル
 ○ティッシュペーパー
 ○吸いのみ あるいは、コップと曲がるストロー
などです。

入院日決定の連絡があるまでは、どのように過ごせばよいのか不安かもしれませんが、体調を整えるなど身近な目標を設定して日々を送りましょう。

【入院費用】
診察、検査、処方、手術といった保険診療の単価は、診療報酬制度といって、全国共通の基準が設けられています。病院の機能、規模や職員配置によって、入院医学管理料、看護料は異なります。
保険の種類が3割負担の患者さんの場合、医療費の総額のうち、3割が自己負担となります。これに、入院時食事療養費の自己負担額として一般の方で1食510円の食事代(住民税非課税世帯の方は減額になります)、差額ベッド代などを加えたものが入院費用の総額となります。

入院時に医療費の請求通知を受け取ったら、支払い期限までの間に費用を準備し、会計窓口で支払います。退院のときは、一般に、退院日に支払います。退院の数日前に、おおよその金額を確認することもできますので、病棟スタッフに確認してください。
クレジットカードで支払いのできる医療機関も増えつつあります。各医療機関にお問い合わせください。
また、医療費の支払いに困ったときには、病院の相談室の医療ソーシャルワーカーにご相談ください。静岡がんセンター発行の小冊子「医療費のしくみ」も参考になります。

【所得区分の『認定証』(限度額適用認定証など)】
入院治療に際し、高額な医療費が予定されている場合は限度額適用認定証(住民税非課税世帯の方は限度額適用・標準限度額認定証)を申請し、入手しておきましょう。

・70歳未満、70歳以上の方で住民税非課税世帯以外の方は限度額適用認定証(※ただし一般区分・現役並みⅢは認定証がありません)
・70歳未満、70歳以上の方ともに住民税非課税の方は限度額適用・標準限度額認定証

※70歳以上の一般区分の方は認定証の申請は不要であり、医療機関の窓口で自動的に自己負担限度額までの請求になります。また、3割負担の方で現役並みⅢの方は、一般区分同様認定証はなく、窓口で自動的に自己負担限度額までの請求になります。ただし、保険証のみでは現役並みⅢか否かが判断できません。その為3割負担の方は、健康保険の窓口にて認定証の申請についてご確認ください。

医療機関の窓口で『認定証』を提示することで、会計窓口での支払いが自己負担限度額までにとどめることができます。申請の際には保険証のほか、印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめ自分が加入している保険者に電話等で確認するようにしてください。
『認定証』の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日保険者に申請をして払い戻しを受けることができます。

なお、マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)の手続きをされている場合、マイナンバーカードを利用できる医療機関窓口では、限度額適用認定証がなくても、限度額を超える支払いは免除されます。


【手術の治療経過】
一般に、手術の前日から数日前に入院します。担当医から、入院治療計画、手術の説明があります。担当看護師から、病棟環境や術前準備について、説明があります。また、手術前日は、麻酔科医師の診察や、手術室看護師の訪問があります。
わからないこと、聞き忘れたことは、看護師に質問してください。

【術後の回復】
術後、からだには数本の管がついています。痛みが強いとき、気分が悪いときには、我慢せず、看護師に伝えてください。
術後早期に活動を再開することによって、合併症の予防や筋力の低下を防ぐことができます。
退院後の生活について、不明な点は、看護師にご相談ください。

(最終更新日:2025年5月27日)


 
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