悩み

告知を受け、自宅から遠くても信頼できる病院を選ばないと安心できず、悩んだ。



助言


【信頼できる病院とは】


【信頼できる病院とは】
『自宅から遠くても信頼できる病院』というのは、どのようなイメージを持たれているのでしょうか。『信頼』という言葉の中に、マスメディアの情報や人の噂、自身の主観が入っていることがあります。
がんは慢性疾患のひとつともいわれています。治療が終了してからも、定期的に通院しながら、経過をみていきます。また、治療やさまざまな医療システムが進歩する中で、治療形態は変化し、入院期間は短くなり、外来に通院しながら行う治療が増えています。
そこで、通院しやすい距離かどうか、通院のための公共交通機関の状況はどうかなども、病院を選ぶ際の検討材料の一つです。治療によっては、治療後の車の運転は控えたほうがよい場合もあります。

信頼できる病院として、客観的にみていくと、がん医療に関する様々な基準を満たし厚生労働省の指定を受けている『がん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院等』についての情報をまず確認しましょう。お住まいの地域のがん診療連携拠点病院等に関しては、『国立がん研究センター がん情報サービス』のホームページにある『相談先・病院を探す』のページが参考になります。病名、お住まいの地域などから、探すことができます。

これらのがんの拠点病院というのは、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者さんやそのご家族に対する相談支援や情報提供などを行っている病院です。つまり、各都道府県のがん医療の中心となっている病院といえます。
また、お住まいの都道府県の情報は、同じく『がん情報サービス』のコンテンツの一つである『地域のがん情報』を参考にしましょう。病院だけではなく、がんの療養に関する情報などをまとめた冊子や、その都道府県のがん関連情報サイトへのリンクなども掲載されています。

どの病院にすればよいか迷ってしまう場合は、拠点病院に設置されている『がん相談支援センター』に相談してみましょう。がんの拠点病院に設置されているがん相談支援センターでは、その病院にかかっていない患者さんやご家族も相談することができます。

【交通の便や経済的な負担面も検討する】
がんは、長い経過を見据えて検討する必要があります。たとえば、『手術をすれば終わり』ということではなく、手術を受けてもその後定期的に通院し必要な検査などを受けていく必要がありますし、治療が終了しても再び治療が必要になる場合もあります。

また、治療によっては、外来通院で治療を行います。通院治療は、たとえば放射線治療などは平日に毎日通う場合も多く、抗がん薬など薬による治療も毎週行うものがあります。そして、通院をしている間には、体調があまりよくないときもあります。治療で頻繁に通院しなければいけないときは、通院の時間が長くなることで疲労が強くなることもあります。家事や育児、仕事をしながら、通院や通院治療をしなければいけないときは、時間の調整や身体への負担をできるだけ減らすことを考えなければいけません。
また、ご家族が車で送り迎えしてくれる場合でも、長期間になると、お互いにとって負担になってしまったり、どうしてもご家族の手があかない場合も起こりえます。

入院の際も、ご自宅の近くであれば、ご家族が仕事帰りなどに顔を出されたり、用事があってもお互いあまり負担に感じたりせずにお願いができます。けれども、遠方の場合、ご家族も時間がとれないと面会に行けないし、面会に行く際の交通費やガソリン代もかかります。
高齢の方ですと、自分の住んでいる所と全く異なる環境におかれることが、大変なストレスになることもあります。
通院時の交通費も、長期間になると負担感が増します。あらかじめ交通費を算出し、経済的な負担にならないか、確認しておきましょう。
通院の際、自家用車など車を使われる方もいらっしゃいますが、公共交通機関(バスや電車等)を利用すると、医療費控除の対象になりますので、公共交通機関を利用して通院できる病院を選ぶのもよいかも知れません。タクシー代(やむを得ない場合をのぞく)、自家用車のガソリン代や駐車場代は、医療費控除の対象外になります。

(最終更新日 2024年3月27日)


 
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