治療が終わったら -こころ -

Q.何かあるとすぐがんと結びつけてしまい、不安になる。

再発・転移への不安
再発の不安は、がんを経験された方のほとんどが感じています。こみあげてくる不安や恐怖が抑えられなくなり、涙を流してしまうこともあるかもしれません。それは、ある意味では、がんという病気に向き合うための、あなたのこころや体の自然な反応です。こういった不安が薄らいでくるまでは、とても時間がかかるものです。そして、いったん不安が薄らいでも何か症状があった時や同病者の再発や訃報を聞いた時など、生活のいろいろな出来事の中で再び強い不安を感じてしまうこともあります。
その一方で、不安とどこかで折り合いをつけて、自分らしい生き方を探し出すことができた患者さんもたくさんいらっしゃいます。

不安と折り合いをつける方法は、人それぞれ違います。それは、これまでの人生の中で、自分の中で育ててきた『強さ』の種類が、人によって異なるからです。
『恐れの対象に、毅然として立ち向かっていくこと』は、もちろん『強さ』の一つですが、それがすべてではありません。『つらいことが過ぎ去るのを耐えて待つことができること』や、『問題から目を反らして楽しいことを考えることができること』もまた、その人のかけがえのない『強さ』なのです。

あなたの本当の強さは、なんでしょうか。これまでの人生を振り返って、大きな苦難を乗り越える時に、自分がどうしてきたか、考えてみてください。また、大切にしている人や物事を、ノートに書き出してみてください。大切な何かのためには、自分が考えている以上の力を発揮できるかもしれません。
そして、時間をあなたの味方だと考えてみてください。一般的には、時間が経つごとに、その分だけがんの再発の可能性は少なくなります。また、再発に対する不安も、薄皮がはがれるようにして、少しずつ、自然に癒されていくはずです。

もし、不安が強く頭から離れない時には、精神科医、心療内科医、心理療法士などのこころの専門家や、がん相談支援センターやおかかりの病院の相談室にいる相談員に相談してみてください。話をすることで、自分がどれだけ重荷を抱え込んでいたか、はじめて気づくこともあります。誰かに助けを求めることは、あなたの弱さではなく、あなたの持つ強さの一つだと考えましょう。

(更新日:2019年2月25日)
 
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