診断、治療の説明 -治療方法を選択する -

Q.がんについての知識がないため、医師に質問もできず、あわてて治療法を決めてしまった。

治療を選択するとき、整理してみましょう
1. なぜその治療が提示されたのか、 なぜその治療が必要なのか
担当医は、患者さんのがんの性質や進み具合、心臓、肺、腎臓などの重要臓器の状態、糖尿病や高血圧などの併存する病気があるかどうか(それらは現在コントロールされているか、どのような状況なのか)、その他全体の状況などを十分考慮した上で、治療法を説明します。治療を決める時には、現在の病気の状況、自分の体全体の状況を十分理解する必要があります。

2. 治療の効果
■ 治療の効果はどのくらい期待できるのか。
■ 治療の目標はどこにあるのか。

3. 治療の副作用、合併症など
■ 手術であれば、合併症、後遺症の起こる可能性はどうか。手術の危険性はどうか。
■ 薬物療法や放射線治療では、どのような副作用が、いつ頃起こり、どのくらいの期間続くのか。
■ 副作用に対して、どのような対応策があるのか。
■ 今後の日常生活にどのような影響が出ると考えられるのか。

4. 治療のスケジュール
■ 通院治療なのか、入院治療なのか。
■ どのようなスケジュールになるのか。
 ◎手術の場合:およその入院期間、手術はいつ頃かなど
 ◎放射線療法の場合:何回実施するのか。何週間くらいかかるのか。
 ◎薬物療法(抗がん薬治療)の場合:全体のスケジュール
  
5. 治療の費用
■ 保険適用なのか、保険適用外の自費診療になるのか。
■ どのくらいの費用がかかるのか。

6. 日常生活・社会生活とのかねあい
■ 仕事、家事・育児、趣味、スポーツ、結婚、性機能(卵巣や精巣などの性腺機能、子宮や精巣などの生殖臓器の喪失による生殖機能への影響)など、日常生活や社会生活の中で、治療により影響が出ると考えられることは何か。
■ 治療中に制限されること、できることとできないことは何か(食事や行動の制限など)。

7. 自分の大切にしていることへの影響
■ 治療により、自分のこれからの仕事、趣味、生き方などに影響があるかどうか。

8. その他
■ 通院の際の交通手段:公共交通機関、自家用車(誰が運転するのか、薬物療法の治療によっては自分が運転して帰れない場合がある)
■ 交通費はどのくらいかかりそうか。
(更新日:2019年2月25日)
 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』
https://ganjoho.jp/public/index.html
サイトがリニューアルされ、がんの情報をいろいろな方法(病名から探す、部位・臓器から探す、50音順など)で検索できるようになりました。また、がんの治療と生活、制度やサービスをし知る、がんの予防・検診などの情報もあります。資料室には、これまで発行されたがんの冊子のPDF版、音声版などがあります。
(2)国立がん研究センター『がん情報サービス』:病院をさがす
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

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