理念・基本方針

静岡がんセンターは、基本理念として「患者さんの視点の重視」を掲げ、「がんを上手に治す」、「患者さんと家族を徹底支援する」、「職員が成長、進化を継続する」の3つを患者さんとそのご家族への約束として医療に取り組んでおります。ここに、患者さんに最善の医療を受けていただくため、「患者さんの権利」を明記するとともに、これらの権利を守るために必要な「患者さんへのお願い」をまとめました。 

理念

基本方針

最善の医療の提供

技術に優れ、患者さんを一生懸命診る心を持つ医療スタッフを集め、最新の医療機器・施設を整備し、多職種チーム医療の実践により、高水準かつ安全な医療を提供する。

心通う対話に基づく全人的医療の実践

患者さんや家族との心通う対話に努め、心を持つ存在として患者さんを治し、癒す全人的医療を追及する。

充実した緩和医療の提供

完治が望めない患者さんに対しては、まず、社会復帰を目指し、さらに状態が悪化した患者さんについては、緩和ケア病棟の利用や在宅医療を支援し、充実した緩和医療を提供する。

患者参加型医療の推進

わかりやすい説明に心がけ、インフォームド・チョイスを援助しながら、患者参加型の医療を目指す。患者さんのより良い理解のため、よろず相談や患者図書館の活用を図り、希望に応じ、セカンド・オピニオンに対応する。

患者さんや家族に学ぶ姿勢の堅持

患者代弁者やご意見箱等の制度を活用し、患者さんや家族からのご意見、苦情を真摯に受け止め、施設の改善に努める。

科学的探究心の尊重

常に、科学的探究心を忘れず、最新の医療情報を収集し、臨床研究を実施し、研究所と協力しながら、新時代の医療の在り方を追求する。

継続した経営努力

医療資源を効率的に活用するとともに、組織の運用状況を見直し、人員配置の適正化を図り、経営努力に努める。

地域医療への貢献

患者さんにとって受診しやすく、医療機関にとって紹介しやすい施設であるとともに必要に応じて患者さんに適した医療機関への逆紹介を行うなど、地域医療への貢献を図る。

県がん対策推進拠点としての活動

静岡県がん対策推進計画に基づき、総合的ながん対策を進め、がん羅患率、死亡率の低減を目指す。また、県のがん診療連携拠点病院としてがん医療水準の均てん化に努める。

ファルマバレープロジェクトの推進

地域の医療・健康産業活性化を目指すファルマバレープロジェクトを推進するため、中核機関としての役割を果たす。

患者さんの権利、患者さんへのお願い

患者さんの権利

1 最善の医療を受ける権利があります。

私たちは、ある病気について最高水準の治療を提供するとともに、心を持つ存在としての患者さんを治し、癒す、全人的医療の実現を目指しています。そのために、必要な人材を集め、医療機器・施設を整備し、安全な医療を実施するためのシステムを充実させました。患者さんやご家族のお話に耳を傾け、心通う対話を追求し、いかなる問題でもその解決のために力を尽します。

2 病気の説明を受け、自ら治療方法を選択する権利があります。

患者さんには、病気の説明を十分に受けて、自らの生き方にそった治療方法を自分で選択する“インフォームド・チョイス”の権利があります。私たちはそれを助けるため、可能な限りわかりやすく説明し、ご質問にお答えします。申し出ていただければ、カルテをご覧いただいたり、テープレコーダーなどを持参し、録音していただくことも可能です。担当の医師や看護師などの説明が理解できない場合や納得できない場合には、「よろず相談」をお訪ねください。患者さんが知識を深め、必要な情報を集めるには「あすなろ図書館」も役立ちます。

3 担当医以外の医師の意見を求める権利があります。

患者さんには、病状や治療法などについて、自分の担当医師以外の医師や専門家の意見を聞き、参考にする“セカンド・オピニオン”を求める権利があります。そのために、私たちは、患者さんやご家族のお申し出に基づき、病院内で担当医師以外の医師を紹介したり、静岡がんセンター以外の施設の医師に対して紹介状や資料などを準備いたします。

4 病気に立ち向かうための支援を受ける権利があります。

私たちは、患者さんとそのご家族がショックを乗り越え、病気に立ち向かうことができるように、支援に努めます。また、身体的・精神的・経済的なことなどについてお話を伺い、一緒に考え、問題解決をお手伝いする専門家が勤務しています。必要な場合には、担当の医師や看護師などに伝えていただくか、「よろず相談」をお訪ねください。

5 プライバシーが保護される権利があります。

私たちは、患者さんに関する医療情報が、他人に漏れ、プライバシーが損なわれることがないよう、厳重に注意いたします。プライバシー保護に関わる希望ないし苦情などについては、ご遠慮なく、担当の医師や看護師など、あるいは「よろず相談」にお話しください。

患者さんへのお願い

1 医療に参加する気持ちをお持ちください。

最善の医療を受けるためには、患者さんご自身が医療に参加する気持ちを持つことが大切です。症状、薬、治療経過など、病気に関する情報を医療従事者に伝えてください。また、これまでにかかった医療機関からの紹介状には貴重な情報が含まれていますので、できる限りお持ちください。
病気や受ける治療の内容などで、わからない点については納得できるまでご質問ください。それでも、わかりにくいと感じた場合や医療従事者の説明が不十分な場合には、「よろず相談」をご利用ください。ここでは、病気についての説明、医療費の公的援助の制度や退院後のさまざまな支援についての説明など、その患者さんに必要な情報を提供いたします。

2 医療事故防止にご協力ください。

私たちは医療事故を未然に防止するため、最大限の努力を続けています。これには、患者さんやご家族の協力も大切です。もし、医療従事者の説明や処置について疑問に思われる点があれば、速やかに医療従事者にお伝えください。

3 病院や医療従事者からの注意事項をお守りください。

病気の治療や療養の過程で、病院や医療従事者から、患者さんやご家族に注意していただきたい様々な事項があります。これらを守っていただくことは、患者さんやご家族の不注意がきっかけとなる事故を未然に防止するためにも役立ちます。
病院には多くの患者さんがおいでになり、職員も多数勤務しています。これらの人々に迷惑となるような行為を慎んでくださるようお願いします。万が一、暴力などの行為があった場合には診療をお断りすることがあります。また、静岡県職員の倫理に関する条例により、職員への心づけを固くご辞退いたします。

4 静岡がんセンターに対するご意見や苦情をお教えください。

私たちは、患者さんやご家族のご意見や苦情を成長の糧としています。ご意見や苦情を医療従事者や「よろず相談」に相談したり、「ご意見箱」に投書してください。「ご意見箱」の投書については、センター幹部が、毎日内容を検討しています。また「よろず相談」には、病院部門には所属せず、患者さんの立場に立って意見を述べる「患者代弁者」を配置していますので、医療従事者とのトラブルなどについてもお話しください。匿名を希望される場合には、お名前を医療従事者に伝えませんので、安心してご相談ください。

5 研究や医療従事者教育に、ご理解とご協力をお願いします。

静岡がんセンターでは、がん医療の発展のためのさまざまな研究が行なわれています。医学研究には、患者さんの診療情報や検体試料等が不可欠です。研究にあたっては、倫理審査委員会での承認を経た上で、患者さんのご同意をいただき、実施してまいります。関係法令や指針に従い、患者さんのプライバシーは厳重に守ります。
また、静岡がんセンターでは熟練者の指導のもとで、医療技術者研修や学生実習を実施することがありますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
なお、これらの研究や教育にご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。

センター紹介

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